公演の出演、開催につきまして
この度の新型ウイルス感染症に罹患された皆様、ご家族の皆さまへ、心よりお見舞い申し上げます。これに目を通してくださる皆さま、誰しもが不安な春を迎えてらっしゃることと思います。ワタクシ的に、決まっていた公演は延期や中止になっていますが、その分、図ったかのように、レコーディング案件や吹奏楽の編曲などなどの自宅スタジオ作業でビッチリ埋まっています。それに加え、プライベート・スタジオの大改装・再構築などに追われ、いつも以上に忙しく過ごしている感じです。
日々のニュースも混乱しており、何を信じていいのか全くわからない状況ですが、ワタクシとしての今現在の考えを、この場を借りてお話しておきたいと思いました。
ワタシの考えは…。お客さまも演者も感染してしまう恐れがある…ということに加えて、お客さまたちがひとりでも不安に思う段階で、公演の開催はしたくありません。できるひとでだけで、来られるひとだけで、とにかく動こう、働こう…ということも考えられますが、自分が出演することによって、開催されることによって、「本当に行っても大丈夫なのか」「私は行きません」「公演を止めた方が良いのでは」「恐いんですけど」「今、ライブハウスに行くなんて家族が許さない」「自分が親だったら『行くな』という」…といった様々な「心配ごと」を産む状態が出来上がってしまいます。
誰かが心配してくれることはありがたく嬉しいことですが、今はそんな悠長なことを感じている場合ではなく、少なくとも、自分が大切に思うひとたち、いつも支えてくださる方々を心配させるようなことは、決してしたくありません。感染する、させるというリスクに対して、安心して来てもらえるような言葉はひとつも見つかりません。
ワレワレ、ライブ演奏家は、お客さんの存在で成り立っています。いつも大切な時間を割いて集まってくださる方々の気持ちが、ワレワレを奮い立たせ、優しく包み込んで、幸せにしてくれています。会場の運営ができなくなったらば、そんなのも元も子もない…というのもわかります。日頃からとってもお世話になっているライブハウスですから、心から応援したい気持ちも強くあります。ですが、「人々の健康」「いのち」に関わってきている今は、待たなくてはならない状況にあるのではないだろうか…と考えています。
世の中にはいろんな考え、主張もあると思いますが、今の状況、誰のせいでもありません。誰にも責任を押しつけられません。自分の人生、自分でなんとか生きるしかありません。
繰り返しになりますが、自分が出演すると決めることで「誰かが悲しむ」「誰かが心配する」「誰かが無理をする」「誰かに無理をさせる」状態を作り出すことになります。そうはしたくありません。
この状況がいつまで続くのかまったくわかりません。何が起こってもおかしくない状況です。この考えを持って、これから4月〜5月公演への出演可否を探っていきたいと思っています。どうかご理解をいただけますよう、心からお願い申し上げます。
誰もが安心して、笑顔で楽しめるときを、悠然と待ちましょう。
大切な皆さま、元気でいてね。
2020.3.29 光田健一
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暮らしは厳しくなります。貯金も底を尽きます。でも例えば、誰もがいつ大病をするかもしれない…。そのためのあらゆる備えを、日頃からしていなくては…ということに改めて気付かされます。
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この文章は、3/23付FC限定Blogの文章に加筆、変更を加えたものです。